介護休業給付金の申請方法|必要書類・申請期限・タイミングをわかりやすく解説
親の介護のために仕事を休む――その決断だけでも、あなたは十分がんばっています。でも「お金はどうなるの」という不安が重なると、心がすり減ってしまいますよね。介護休業給付金は、そんなあなたの生活を支えるために用意された制度です。手続きは少し複雑に見えますが、この記事で一つずつ整理していきましょう。焦らなくて大丈夫です。
介護休業を取ると、その間の収入が心配になります。そこで支えになるのが、雇用保険から支給される介護休業給付金です。休業前賃金の67%が受け取れる制度ですが、「誰が・いつ・どうやって申請するのか」が分かりにくく、もらいそびれてしまう人もいます。
この記事では、介護休業給付金の対象条件・金額・申請の流れ・必要書類・申請期限を、家族目線でわかりやすく解説します。仕事と介護の両立制度の全体像は仕事と介護の両立|介護離職を防ぐ制度と進め方をご覧ください。
※本記事は2026年7月時点の制度情報に基づく一般的な解説です。金額の上限や細かな要件は改定されます。具体的な手続きは勤務先やハローワークにご確認ください。
介護休業給付金とは
介護休業給付金は、家族の介護のために介護休業を取得した雇用保険の加入者に、休業中の収入を補うために支給されるお金です。支給額は休業前賃金の67%が目安で、雇用保険から支払われます。
ここで押さえておきたい考え方があります。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取得できますが、これは「介護に専念するための93日」ではなく、要介護認定の申請やケアマネジャー選び、サービスの手配といった”介護の体制を作る”ための期間と考えるのが現実的です。体制が整えば、あとは介護サービスに任せて仕事に戻る――その間の生活を給付金が支えてくれます。
対象になる人・条件
介護休業給付金を受け取れるのは、主に次の条件を満たす方です。
- 雇用保険の被保険者であること
- 介護休業の開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が通算12か月以上あること
- 対象家族を介護するための休業であること(対象家族=配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫)
パートやアルバイト、契約社員などの有期雇用の方も、条件を満たせば対象になります。「正社員でないから無理」と思い込まず、まずは勤務先やハローワークに確認してください。育児・介護休業法上の介護休業は、就業規則に記載がなくても取得できる法律上の権利です。
いくらもらえる?(金額の目安)
支給額は、次の式で計算されます。
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
「休業開始時賃金日額」は、休業前6か月の賃金をもとに算出した1日あたりの賃金です。ざっくり言えば、休業前の月給の約3分の2が受け取れるイメージです。ただし、賃金日額には上限・下限があり、支給額にも上限が設けられています(金額は毎年見直されます)。
また、休業中に勤務先から賃金が支払われている場合は、その額に応じて給付金が減額・不支給になることがあります。詳しい金額は勤務先やハローワークで試算してもらえます。
申請の流れ:原則「会社経由」でハローワークへ
介護休業給付金の申請は、少し特殊です。本人が直接ではなく、原則として勤務先(事業主)を経由して、会社を管轄するハローワークに申請するのが一般的です。
| ステップ | 内容 | 誰が |
|---|---|---|
| 1 | 会社に介護休業を申し出る(介護休業申出書) | 本人 |
| 2 | 介護休業を取得する(通算93日まで) | 本人 |
| 3 | 休業終了後、支給申請書などをハローワークに提出 | 原則、会社 |
| 4 | 指定口座に給付金が振り込まれる | ハローワーク |
会社が手続きを代行してくれるため、本人の事務負担は比較的軽いのが特徴です。ただし会社によっては本人申請となる場合もあるので、休業を申し出る際に「給付金の申請はどちらがしますか」と確認しておくとスムーズです。2025年4月からは、介護に直面した従業員に会社が制度を個別に説明する義務も強化されました(詳しくはこちら)。
必要な書類
主な提出書類は次のとおりです。多くは会社が用意・作成しますが、本人が準備するものもあります。
- 介護休業給付金支給申請書(会社が作成)
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(会社が作成)
- 本人が会社に提出した介護休業申出書
- 対象家族との続柄が確認できる書類(住民票記載事項証明書など)
- 介護休業の開始日・終了日が確認できる書類、休業中の賃金が確認できる書類(賃金台帳など)
本人が用意するのは、続柄を確認できる書類くらいで済むことが多いです。何が必要かは会社の担当部署に確認するのが確実です。
いちばんの注意点:申請期限とタイミング
介護休業給付金でもっとも気をつけたいのが申請期限です。
介護休業が終了した日の翌日から2か月後の月末までに申請する必要があります。
この期限を過ぎると、原則として給付金を受け取れなくなってしまいます。会社が申請してくれる場合でも、「いつまでに何を出せばいいか」を早めに確認しておきましょう。
また、介護休業を分割して取得した場合は、それぞれの休業ごとに申請します。たとえば「30日休んで復帰、後日また30日休む」というケースでは、休業のたびに手続きが必要です。まとめて1回で申請できるわけではない点に注意してください。
知っておきたいその他のポイント
- 社会保険料は免除されない:育児休業と違い、介護休業中の健康保険料・厚生年金保険料は原則として免除されません。休業中も保険料の負担が続くことは、資金計画に入れておきましょう
- 介護休暇とは別物:年5日(対象家族2人以上で10日)取れる「介護休暇」は、通院付き添いなど単発の用事のための休みで、給付金の対象ではありません。まとまった休みが介護休業、こまごました用事が介護休暇、と使い分けます
- まず会社に伝えることが第一歩:制度を使うには、介護に直面したことを会社に伝えるのが出発点です。隠して一人で抱え込むより、早めに相談するほうが結果的に楽になります
よくある質問
Q. 会社が「うちに介護休業の制度はない」と言います。
A. 介護休業は育児・介護休業法で定められた法律上の権利で、就業規則に記載がなくても取得できます。会社が正当な理由なく拒否することは原則できません。困ったときは、お住まいの都道府県労働局(雇用環境・均等部)に相談してください。
Q. 給付金はいつ振り込まれますか?
A. 申請後、ハローワークでの審査を経て支給されます。休業終了後にまとめて申請するため、受け取りは休業が終わってしばらく後になります。休業中の当座の生活費は、給付金を当てにしすぎず、ある程度手元資金を用意しておくと安心です。
Q. 介護休業を取ると、キャリアに響きませんか?
A. 介護休業の取得を理由に、解雇や不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。それでも不安な場合は、休業前に上司と復帰後の働き方を話し合っておくとよいでしょう。仕事を勢いで辞めてしまうより、制度を使って休みながら介護の体制を整えるほうが、あなたのキャリアも生活も守れます。
まとめ:期限だけは忘れずに、あとは会社と相談を
介護休業給付金は、休業前賃金の67%を支える心強い制度です。ポイントは、①雇用保険の加入者なら有期雇用でも対象になりうる、②原則として会社経由でハローワークに申請、③申請期限は休業終了日の翌日から2か月後の月末まで、④分割取得なら休業ごとに申請、の4点です。手続きの多くは会社がやってくれるので、まずは会社に相談することから始めましょう。
介護は、いつ終わるとも分からない長い道のりです。だからこそ、使える制度はためらわずに使ってください。それは「甘え」ではなく、あなたと親御さんの暮らしを守るための、当然の権利です。制度の手続きに疲れたときは、どうか少し肩の力を抜いて。あなたが元気でいることが、いちばんの介護になります。
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